札幌ファクトリーのユナイテッドシネマでAKIRAリマスター版(IMAX)を観てきました。
私が感じたAKIRAの魅力について、思うことを並べましたので良かったら読んでいってください。
全てにおいてかっこいい。
AKIRAのオープニングは、無音でネオ東京を上空から映した画からスタートします。
そして観る人の心の準備がまだ出来てないのに
バーーンッ!!!!!!!という太鼓みたいな爆音と供に「AKIRA」の真っ赤なでっかいタイトルが登場。(びっくりして心臓飛び出たかと思った…。)
タイトルシーンから既にかっこいい。なんなんあれ。
そしてこの映画、はじめから終わりまでずーっと音楽、映像、台詞のすべてが格好よい。
冒頭の、「ピーキーすぎてお前には無理だよ。」という台詞のあたりからバイクシーンのBGMが鳴り始めるのですが、あそこらへんが私の中でオキシトシン値がピークだったように思います。全細胞でネオ東京を感じました。多幸感!
格好いいとかオシャレとか、感じ方は人それぞれだと思うけど、私は何を以てこの映画を格好いいと思うのか…
これについては、「時計仕掛けのオレンジ」を観た時に感じた自分の感覚と似ていて、
今までの経験に無い新しいもので且つ、どことなくヤバそうという感覚のチャンネルが合うというか…表現がむずかしいのですが…
とにかく「凄いものを観たぞ」という気持ちになりました。
なので私にとっては、金田という名前も全身赤の服装も格好いいし、出てくる女の子があまり可愛くない事も、鉄雄の若干の若ハゲ具合ですら許容できるのです。
ネオ東京の雰囲気について。独特な昭和感が最高。
この映画は2020年が舞台のおはなしですが、実際に公開されたのは1988年であり、なんと30年以上前。
1980年代に、30年後の未来を想像して描かれたネオ東京という都市。
ネオ東京は、たしかに今観ても近未来感があります。
ただスマホもWi-Fiも出てこないし、体罰のシーンも健在。建物や風景はどことなく有線っぽさがあって、店の看板の書体や内装は昭和のイメージのまま。
金田のナンパの仕方も昭和感満載。人々の精神が昭和のまま2020年になってる所がポイントだと思うんですよね。
この近未来と昭和が入り交じった感じがもう最高、最高!!
おそらくこの気持ちは1989年公開当時では感じられなかった感覚なのかなと、勝手に思っています。まだその頃生まれていないんでね。
ちっぽけ(矮小)と壮大の混在。
私が一番AKIRAの魅力について熱弁したいところ。
AKIRAの力が覚醒し増大してしまった鉄雄によって、日本は破滅に追いやられます。
映像と音の素晴らしさによって、その迫力は圧巻でした。
しかし、日本がぶっ飛んでしまうかもというこの一大事に、金田と鉄雄はけっこうちっちぇえ事で争っているということ。このズレがミソ。
世界が終わってしまうかもという恐怖感と平行して、「いっつもお前が上に立ちやがって!」みたいな青臭いケンカをしているこの二人。
金田はたぶん、「日本を救いたい」とかいう気持ちはさらさら無く、ダチの鉄雄を救うためと、ケイを振り向かせるために主に行動しているんですよね。
大人からしたら世界が終わってしまう事は一大事だけど、金田達にとっての”世界”は大切な友達と過ごす日常のことであり、そちらの”世界”の方が彼らにとっては余程大事なわけであって。
実際に自分が中学生の時って、日本経済とか政治とかよくわかんなくって別にどーでもよくて、明日の部活ほんとマジで行きたくねえなとか、あの子にあんなこと言われてもう立ち直れない…みたいなどーーーーーでも良いことばっかり悩んでたなって思い出したんですよね。
因みに、このやべえAKIRAという力が、主人公ではなくイケてないポジションの鉄雄に覚醒してしまうという設定も個人的にミソ。
AKIRAの力をコントロールしたい大佐たち(大人)と、事の重大さをイマイチよく分かってない少年達の認識のズレが、なんともリアルで。一般的なアクション映画とはひと味違った、飄々としたシーンが所々にあるのがこの映画の唯一無二の良さなのではないカナと筆者は考えたりしている…。
さいごに
まだやってる劇場はあるのかな?
近くにあるなら絶対に観に行った方がいい。2020年上半期、10本くらい映画館に足を運んで映画を観たけど、ダントツの1位でした。
リマスター版のブルーレイが出たみたいなので、ブルーレイを観る設備が家にまだ無いにもかかわらず、わたしはこれを家に置いておきたいので買いました。
そして漫画もいいよ。どっちが先でも良いと思いますけど、
漫画読んで良かったなと思ったら絶対に映画観た方が良いし、映画観て良いなと思ったら絶対に原作読んだ方が良いです。
映画には出てこないけど、金田の「健康優良不良少年」て言葉大好き。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。